将来の企業ストレージはストレージでなくなる

将来の企業ストレージはストレージでなくなる

従来型の企業ストレージは徐々に消え失せています。かつて大企業のデータセンターに大量に並んだサーバーラックは過去の時代を象徴しています。現在のデータセンターではハイパーコンバージドシステム※1とオープンソースから、企業が自ら構築可能なソフトウェアデファインドストレージ※2と大規模クラウドストレージシステムへと、驚異的な変革が起きつつあります。この変革はビジネス俊敏性のニーズにより生成され、ソフトウェアによって推し進められています。

※1: サーバー、ストレージ、ネットワーク、管理ソフトウェアをコンパクトに統合したシステム
※2: ストレージインフラストラクチャをソフトウェアで管理、自動化し、物理的なメディアやハードウェア構成などを抽象化することで柔軟性と俊敏性を向上する技術

数十年前にさかのぼってみましょう。

サーバーやコンピューターから独立したSANNASストレージボックスの概念は、集中型モデルにおいてストレージ容量を効率的に利用するよう作り出され、企業データに対して高い耐久性、信頼性、集中化を提供しました。そして社内ネットワークの高速化に支えられて広く採用されました (EMC Symmetrixが最初の製品です)。

時間の経過とともにストレージは耐久性、信頼性、拡張性のために大量の機能を持つようになり、非常に高価で肥大化したものになりました。そしていま我々も気づいているように、「仮想化と運用コスト」、「シンプルさとコンバージェンス」、「クラウド」という主流トレンドはストレージの存在そのものを脅かしています。

このようなトレンドを考えたとき、2025年のデータセンターと300億ドルのストレージ業界はどのようになるのでしょうか?その質問に答えるために、すでに稼働中である2015年のデータセンターの変化を考察してみます。

ストレージの氷山

ストレージは多くの場合、一次記憶装置としてアプリケーションを実行するために必要となるメインメモリと、その下に深く広がりアプリケーションとは直接やりとりしない二次記憶装置で構成される「氷山」と表現できます。通常、二次記憶装置はデータの二次コピーを保持するレプリケーション※3を介して一次記憶装置をバックアップするために使用されます。二次記憶装置はクラウドストレージを指すこともできます。Druvaでは、クラウドによってワークロードの管理に柔軟性をもたらしつつバックアップ、アーカイブ、コンプライアンスの集中化が可能であるため、企業はこれらを別々に実施する必要はないと考えています。

※3: データの複製を作成して同じ内容を同期させること

今後5年間のトレンド

クラウドとコンバージェンス (集約化) です。従来のストレージとクラウドストレージを比較すると、クラウドに関するメリットは明らかです。クラウドストレージによって物理ストレージドライブを持ち運ぶ必要なく、ユーザーはデータにいつでもどこからでもアクセスすることができるようになります。企業がAmazonやMicrosoftのようなパブリッククラウドにワークロードを移すと、使用したリソース分の費用を払うだけでよくなります。ワークロードをクラウドに移行することは、必要ストレージの削減とコスト効率の向上につながります。また、超大規模クラウドプロバイダーは既存ストレージベンダーからストレージを購入することはなく、自身で構築しているということも頭に入れておいてください。さらに企業がクラウドベースのストレージシステムそのものを組み立てられるよう支援する「オープンコンピュートプロジェクト※4」や「オープンコンピュートイニシアチブ」もあります。

※4: Open Compute Project
Webサイト: https://www.opencompute.org/
オープンコンピュートプロジェクトジャパンのWebサイト: https://opencomputejapan.org/

コアアーキテクチャに依存しないストレージを購入する考え方はなくなりつつある

従来型のストレージ構築ではサーバーとストレージネットワークを個別に購入する必要がありましたが、クラウドへの移行によりこの問題も解決されます。一部の企業はデータセンターの構成要素としてサーバー、ストレージ、ネットワークをすべてまとめて購入しています。このまとめ買いでは従来型ストレージが陳腐化します。コアアーキテクチャに依存しないストレージを購入する考え方はなくなりつつあります。

ストレージの再定義: 新しいモデル

クラウドとコンバージェンスに加えて、企業の間で本格化している、将来を考慮したストレージモデルがあります。SSD (Solid-state drives) は従来の電気機械的ディスクよりも安価、コンパクトで電力効率が高いです。これらドライブは情報を格納するためにプラッタを回転させる代わりにメモリチップを使用します。ドライブに可動部品が存在しないため、SSDは小さく長持ちし、エネルギー消費が少ないです。またソフトウェアデファインドストレージ (SDS; Software-defined storage) はソフトウェア層が管理するストレージです。このソフトウェアは下層のハードウェアに依存せず、ポリシーベースのプロビジョニングとデータ保存を管理します。

一方、SaaS (Software-as-a-service) はバックアップ管理手法として企業の間で勢いを増しています。SaaSは人的リソース、ハードウェア、物理的なストレージ空間の面でコスト削減に貢献します。たとえばネットワーク管理者は、ネットワーク上のどのデータをどのくらいの頻度でバックアップするかを指定できます。SaaSプロバイダが保存ギガバイト単価またはデータ転送量単価に基づいてストレージ領域を貸し出すサービスレベル契約 (SLA; Service-level agreement) に管理者がサインすることになるでしょう。

今後10年間のストレージとiPhoneモデル

SaaS/SLAモデルをもう少し掘り下げてみると、クラウドが一般消費者向けのストレージになる過程を予見できます。例としてiPhoneを挙げてみましょう。iPhoneで新しいアプリをインストールすると、アプリ自体に必要なストレージ領域だけでなく、文書やデータ、ゲーム、写真、ビデオなどを保存するための容量も消費することになります。ストレージはアプリによって消費されており、これらアプリのほうがハードウェアよりも重要なのです。今後数年間に、ストレージはiPhoneのようになり、SLAにより消費されるアプリケーションとなるでしょう。

iPhoneではさまざまな写真や動画関連のアプリケーションを使用することでカメラ機能が活用できるのと同様に、基本的にアプリケーションとして機能するサービスに対して課金されるようになるでしょう。iPhoneは単一システム上にさまざまなサービスやSLAを統合していく新しいクラウドです。クラウドストレージのコンシューマ化に伴い、企業はデータを保持および保管するインフラストラクチャを管理するよりも、利用可能な大規模データ保存領域を活用したサービスの構築に注力するようになるでしょう。

2025年のデータセンターに目を向けたとき、事態はどのように変化しているでしょうか?一つには、保存領域の割当、ハードウェアの購買、アプリケーションストレージの振分、データストレージをサポートする複数製品の連携と管理といった今日のIT部門の負担は、クラウドストレージプラットフォーム経由でサービスを配信する環境にシフトしていくと考えます。このような転換は一次記憶装置と二次記憶装置の統合を示唆しており、企業はアプリケーションに関する戦略的利益に集中し、より複雑で高度なアプリケーションを構築できるようになるでしょう。

(原文は2015年10月23日のTechCrunchに投稿されています。) 

Druvaの取り組みに関する詳細を知るには、elastic cloud platformを参照するか、Druvaのデータセンタークラスのガバナンスと可用性ソリューションに関するデモを参照してください。


Jaspreet Singh

Jaspreet bootstrapped the company while defining the product, sales and marketing strategies that have resulted in Druva's early and impressive success. Prior to founding Druva, Jaspreet was a member of the storage foundation group at Veritas.

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